2010年10月19日

あふれた愛    天童荒太



出版社 / 著者からの内容紹介
生きていくことの辛さを包み込む珠玉の短編集。
理解しあえないこと。ひとと同じように生きられないこと。
大切な人を失うこと。
空回りする愛情…様々な生きにくさを抱えた普通の人々を描く短編集。
この4編すべてがあなたのための物語です。
 
   **    **    **

ささやかでありふれた日々の中で、
たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、
お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。

夫婦、親子、恋人たち。純粋であるがゆえにさまざまな苦しみを抱え、
居場所を見失って、うまく生きていくことができない。


4篇からなる短編集ですが、非常に完成度が高いです。
1篇ごと読み終えるたびに、長編と同等の濃厚さがうかがえました。
短編といえども、天童氏は手を抜かないな〜
と、感じました。ここでも、寡作の理由がわかりますね。

決して、事件が起こるわけでも、特殊な人間が出てくるわけでもありません。
普通のどこにでもいるような人々が、
なんでもない日常を過ごしている。

でも、人生のうちで心が疲れることもあるでしょう。
荒れることもあるでしょう。
確かなものに固執したり、退廃的になったり、
自分がどんな人間なのか不安になることもあるでしょう。

病気ではなく、少し心が疲れているだけなんです。
だれにでもあるだろう、どこにでもいるであろう――
そのような、人物が登場します。

一篇を読み終えるたびに、
その登場人物に声をかけたくなるような気持ちになります。
それはまさに、自分自身にかけたいんだと思います。

この作品の根底には天童氏の本質が流れています。
彼の作品を読むと、いつも
人を思いやりたい、優しく、温めあいたい――
と、思ってしまいます。

そして、いつかは、温かい家庭を作りたいです。
あれ、私結婚願望がまったくないのにな
…こんなこと書いちゃった(´ω`;)ゞ


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posted by オハナ at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 天童荒太 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月10日

「静人日記」   天童荒太


内容紹介
見知らぬ死者を悼み、全国を放浪する静人。
日記という形式をとり、過酷な旅の全容と静人の脳裏に去来する様々な思いを克明に描く。
200余篇の生と死と愛の物語。


  **      **       **

この本は「悼む人」の登場人物、坂築静人の日記

天童荒太氏が、「悼む人」を書くにあたり、
彼と同化するために、毎日時間を作り、心にわきたつ感情を
写しとったものがベースらしいです。

この日記は、三年続けたようです。

その苦悩があって、「悼む人」が
素晴らしい作品になったのだ、と思います。
そして、文章は簡素でありながらも、
非常に訴えてくるものもありました。

実際、私は「悼む人」を読み終えてからは、
様々な死者の情報を聞くたびに、
「今もどこかで、静人は悼んでいるのだろう」
と、思うようになりました。

「誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されていたのか」
静人はどこかで、様々な人にたずねているのだろう。
私は、どんどん彼に惹かれていきました。


正直、一日一日を読むに続けて、
ひどく心が疲れました。
それでも、読み終えてよかったです。




天童氏が寡作だという理由も、最後の謝辞で理解できました。

この本は、「悼む人」を読んだ人にお薦めです。


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posted by オハナ at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 天童荒太 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月12日

悼む人     天童荒太



全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる

**  **  **  **  **  

誰にでも平等にある「死」というテーマに真摯に向き合った作品。
重いテーマでありながら、そうは感じさせないが、しっかりと読む人に問いかけてきます。

重いも軽いもない。
死には、その人の特別な人生がある。
誰に感謝されて、誰に愛されて、愛したか――。
私の人生の中で少なからず「死」というものに触れてきました。改めてその方たちの人生を思い、感じました。

天童氏はどの作品でも、強く問いかけてきます。
決して押しつけがましくなく、「ちょっとだけ考えてみよう」と言ってくるような文章。

「静人日記」の本も読んでみようと思います。

静人日記

静人日記

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/11/26
  • メディア: 単行本





ちなみに直木賞受賞いうことで、いままで読むのを躊躇していました。
が、これはいろいろな人に読んでほしい。
ずっと書店で平積みしていてもらいたい作品です。
posted by オハナ at 15:01| Comment(0) | 天童荒太 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

家族狩り     天童荒太




内容(「BOOK」データベースより)
高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。馬見原光毅刑事は、ある母子との旅の終わりに、心の疼きを抱いた。児童心理に携わる氷崎游子は、虐待される女児に胸を痛めていた。女子高生による傷害事件が運命の出会いを生み、悲劇の奥底につづく長き階段が姿を現す。山本賞受賞作の構想をもとに、歳月をかけて書き下ろされた入魂の巨編が、いま幕を開ける。

*  **  **  **  **  

この作品は文庫で読みました。
単行本として出されたあと、文庫をだす際、著者が加筆修正するのはよくあることです。
その際は作品の内容や雰囲気を変えない程度です。
だいたいが、新刊を出した際に指摘された場所を書きなおすくらい。
ただ、読み終えて知ったことですが、大幅な書きなおしがあったようです。
スピードに乗って、勢いで書き上げるタイプではない著者が、エピソード等を書き換えたのはどういった理由があるのか――大変興味深く、単行本も読んでみたく思いました。

家族とは何か、家族という個体でありながらそれぞれの中身は異なってくる。
この作品を読んでいる最中、ずっと自分自身の家族のことについても考えさせられました。

著者は語りかけています。
使命感のもと書き上げた作品は、文庫本5冊、あっという間に読み上げてしまいました。



posted by オハナ at 14:39| Comment(0) | 天童荒太 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

永遠の仔      天童荒太



四国の霊峰で一人の少女・二人の少年が起こした事件。その秘密を抱えたまま別れた三人が、17年後再会した。そして過去を探ろうとする弟の動きと殺人事件の捜査によって女性の平穏な日々は――。
  **  **  **  **   

寡作といわれる天童荒太の作品。

ボリュームたっぷりで、無駄なエピソードが見当たりません。
ただのミステリーではなく、天童氏のメッセージが強く出ています。

ただ重く残酷なだけでなく、わずかながらの希望があるのが救いです。
そして、題材の「子」ではなく「仔」の理由が書かれてあり深く納得させられました。

テレビドラマをみないので、テレビになっていたとは当時知りませんでした。
この作品をドラマにしたとは・・・・・・・
ちょっと興味深いです。
posted by オハナ at 14:20| Comment(0) | 天童荒太 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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