2010年10月28日

映画『人の砂漠』



内容紹介
★1970年代、20代の沢木耕太郎が見た“現実”を、2010年、20代の東京藝大生が映画化!
日本を代表するノンフィクション作家による珠玉のルポルタージュ4作を、オムニバス形式で描く!
★生きることの全てがここにあった!実在の人物の姿を通して人生の意味を問う30年前の名著を、
現在の社会に置き換えて描き、心揺さぶる傑作が誕生!


      **      **      **

沢木耕太朗が描いたノンフィクション作品を、今の現代に置き換えて映像化しています。
決して、昔の出来事ではなく、
今もそこここにある光景です。

短編30分ストーリーで、中だるみもせずに観られました。
おそらく、役者さんの味で魅せてくれたんだと思います。

カメラワークなどは、非常に単調で
初めのうちは、それが気になりました。

しかしながら、観ていくと、
単調なカメラワークがリアリティを生んでいるのだと
感じました。

ただ、エンターテイメントではありません。
ジャケットが少しPOPなので、
間違われる人も多いかと思います。

よく読んだのち、鑑賞をオススメします。

「屑の世界」
出演:石橋蓮司 監督:後閑広
綺麗に整備された住宅街に佇む仕切場。
山金属の親方・山義秀は、今日も屑の仕切り作業を続けている。
そんな中、家出をした山の孫・登がこの町にやってきて山の仕切り場で働くことに。
しかし静かな町作りを主張する区議会の声が高まり、
やがて仕切り場の強制移転が決まってしまい…。

「鏡の調書」
出演:夏木マリ 監督:ヤングポール
笠原きよらは、田舎町で「気風のいいお金持ちのお婆さん」と噂の的となっていた。
自分は身寄りもない老人で、
良くしてくれた人に財産を残したいと語る彼女だが「手元に金が無い」と言っては、
数万円を無心することもあった。
実は笠原は、いくつもの街を渡り歩き、
人々の持つ敬老の心と金銭欲とを巧みに利用した天才詐欺師だったのだ…。


「おばあさんが死んだ」
出演:室井滋 監督:栗本慎介
閑静な住宅街に、異臭を放つ一軒のゴミ屋敷。近隣住民を敬遠し、
生活保護も頑なに拒む、謎に包まれた老女、野口郁子が死んだ。
退廃する郁子の家で見つかった一冊の日記。
そこには郁子の寂しく切ない半生が綴られていた。
何故、彼女は壮絶な死を遂げなければならなかったのか。
過去と現在が交錯しながら、その謎が解き明かされていく。


「棄てられた女たちのユートピア」
出演:小池栄子 監督:長谷部大輔
親に棄てられ、精神や身体に疾患を持つ元売春婦たちが共同生活を送る施設。
人間らしい生活が約束されたその場所は、
女たちにとって楽園だったが、入所間もない篠原いちこは、
家族のように接してくる先輩入所者をうっとおしく思い脱走を繰り返していた。
そんなある日、彼女は実の家族が暮らす家を訪れるが、
もはやそこには居場所がないことに気付き…。


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ラベル:映画 邦画
posted by オハナ at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月21日

映画「乱暴と待機」



出演:山田孝之、小池栄子、浅野忠信、美波
監督:富永昌敬
原作:本谷有希子

番上夫妻は郊外の住宅地に引っ越してきた。
無職の夫(山田孝之)は、引っ越しの挨拶のために
一人で近所をまわることに――。

上下スウェットで、
マンガのような度の入っていないメガネをかけている
緒川奈々瀬(美波)と出会う。
「お兄ちゃんと住んでいるんです」
と、挙動不審な態度で、オドオドと言う。

身重の番上の妻あずさ(小池栄子)はそれを知り
「あいつら、兄弟なんかじゃないよ」
妻あずさと、菜々瀬は同級生だった。

菜々瀬の“お兄ちゃん”は、足を引きずった山根英則(浅野忠信)。
「あいつら、気持ち悪いわよ」とあずさは夫に伝える。

実は、
あずさと菜々瀬の間には、苦い過去があった。
「私はあんたを許さないから、ここから出ていきなさいよ」

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「いったいあの女をどうしたいわけ?“お兄ちゃん”なんて呼ばせてさ」
あずさが山根に言うと、
「他人に説明する義務はない」
と、山根は一蹴。

菜々瀬と山根の間には、つらい過去があり、
山根は菜々瀬のせいで、人生が激変した。
それに対して、
山根は「復讐」をするために、菜々瀬と暮らしている。
毎日、毎日誰もやったことのない復讐を考えているのだが――

菜々瀬は言う――
「永遠の愛は疑ってしまうけうけど、永遠の憎しみなら信じられる」
「憎んでいるあいだは、私からは離れないでしょう?」

100426_ranboutotaiki_main.jpg

     **     **     **

軽い流れはこんな感じなんですが、
結構これだけでも“濃い”内容ですね。

登場人物はたったの4人。
でも、十分濃厚でした。

変な関係の山根と菜々瀬は、
他人には理解できない狂気が孕んでいると思います。
それが、ふたりにとっては「愛」なのでしょう。
確かな「愛」を求めているのでしょう。

正直、つらかったです。
笑いを堪えるのが――。

4人のキャラクターが濃いし、
セリフも絶妙なものを選びぬいているように思えます。


番上くんは、あずさが働いている時間に
菜々瀬にちょっかいを出します。
菜々瀬がおどおどしつつ、股を開きつつも
「あずさちゃんが・・・・・」
と遠慮がちに言いますが、
番上くんは・・・・・・・、
「そいうことはさ、積極的に麻痺していこうよ」
私は、なんだか
このボソッとつぶやいたセリフが忘れられません。
すごい日本語だと思うし、なんて図々しい男なんだ。


山田孝之演じるしょーもない男、
いて欲しくないなぁ――と願います。


小池栄子のキャラクター、スッキリしましたね。
所々彼女は、やり散らかしますから。
ドーン、ドーンって。
香水が臭いと言われて、家中に香水をふりまくったり、
廃棄される自転車を家の中にぶちこんだり――。

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ラベル:映画 邦画
posted by オハナ at 14:51| Comment(2) | TrackBack(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月25日

人間失格



監督:荒戸源次郎
出演:生田斗真 寺島しのぶ  


太宰治の名作、人間失格を映像化。

何回か読んだ作品。初めて読んだのは中学、大人になって読んだ印象は全く違うものになっていました。
葉蔵は太宰自身といわれています。葉蔵はとても繊細で純粋、そのまま大人になってしまったゆえの人生。
「無抵抗は罪なりや?」
印象にのこっている一文です。

**  **  **  **  **  **  

思ったより良かったです。多分、期待せずに観たのと、小説とは別物と思って観たからでしょうね。

映像も奇麗で、ゆるりと流れていくのは観ていて目が離せなくなりました。
ただ、原作を読んでない方からすると理解不能になるのでは?と思いました。
葉蔵自身のナレーションがあれば理解しやすかったのかもしれませんが、まぁいいか・・・・・・・。
二時間を映像にまとめるのには、端折らなければならない部分もあるでしょうしね。


もちろん生田斗真の演技は素晴らしかったんですが、圧倒的な存在感を出した大楠道代。
映像の中にいるだけで、凛とした空気が流れていました。



       「幸福も不幸もありません。
       ただ、一さいは過ぎて行きます」



この一文は最後に出てきてよかったです。




森田剛扮する中原中也がでてきます。
もちろん原作にはありませんが、劇中にあった葉蔵との会話のやりとりはあったとされています。
「モ、モ、ノ、ハ、ナ」と言うところですね。
思わず、観ている方はニヤリです。


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posted by オハナ at 17:05| Comment(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月31日

サイドウェイズ

サイドウェイズ

キャスト
小日向文世 生瀬勝久 菊池凛子 鈴木京香

キャリアも私生活も冴えないシナリオライター道雄、結婚を控えた最期の独身生活を謳歌したい大介。
大介の結婚式までの一週間、カリフォルニア旅行で思いがけない出来事が起こる・・・・・・・。
** **  **  ** ** **  **  ** ** *

ハリウッド映画「サイドウェイ」のリメイク版です。
ゆるい、ゆるーい映画を観に行きました。
予想どうり、ゆるい空気が漂ってます。
小日向さん自身がゆるい雰囲気ですよね。ブラックジョークもシュールに聞こえます。

「ワインが飲みたくなる映画」と言われてますが、
私は、舞台になったナパ・バレーに行きたくなりました。
仕事を休んで、たいした観光もせずにのんびりしたい・・・・・・もちろん、ワインを飲みながら――。

どんでん返しや、スピード感、ときめき感、お涙・・・・・を求める方は観ない方がいいです。
時間の流れをゆるく感じたいときに観る映画です。


個人的に冴えないおじさんが主人公の映画好きなんです。


ハリウッド版とはまた全然ちがいます。
比べて観るのではなく、
別物として観るほうがおすすめです。


ラベル:映画 邦画
posted by オハナ at 19:28| Comment(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月29日

ホノカアボーイ

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ホノカアボーイ

監督 真田敦
出演 岡田将生 倍賞千恵子 長谷川潤

ハワイ島・ホノカアの町の映画館で働く青年レオ。
半年前に彼女と「伝説の虹」を求めてハワイ島に旅行にきたが、迷いって着いた先はホノカア。何かに惹きつられて、再びホノカアにやってきた。そこには風変りな人々との出会い、別れがある・・・・・。

** ** ** ** ** ** ** ** ** ** 

大きな事件がなければ、山場もありません。
けれど、強く印象に残る映画です。

ビー(倍賞千恵子)がものすごくイイ。
着てる洋服やインテリアも可愛いんですが、行動や性格が少女のような可愛さが出ています。
レオ(岡田将生)との何でもない二人の時間が、ビーを少女にさせます。
洋服屋のウィンドーに飾られてあったワンピースを買って、さりげなくレオにアピールするさまは、全くおばあちゃんに見えません。
こんな可愛らしいおばあちゃんになりたいものですね。

エロ本を愛するおじいちゃんのコイチ(喜味こいし)は、
「年をとったからって、やっちゃいけないことなんか、ないんだぜ」
なんともかっこいいお言葉、そして忘れたくない言葉でもありますね。

ビーが作る料理がこれまた美味しそうで、私は終始釘付けになっていました。パンフレットにレシピが載ってあったんで、もちろん購入しました。今度作ってみましょう。
食いしん坊の私にはたまらない映画です。



そして、他に印象に残ったのは、何気ない日常の音と自然の音。
風の音や、足音、包丁がきざむ音が、心地いいリズムでせまってきます。そんな音なんて最近すっかり忘れていましたね。


のんびり癒されたいときに観たい映画です。


原作者の吉田玲雄さんも出演しています。
「ホノカアボーイ」幻冬舎文庫
ラベル:映画 邦画
posted by オハナ at 20:53| Comment(0) | 邦画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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