2011年06月30日

グッバイ艶   南川泰三


内容(「BOOK」データベースより)
一九六八年冬。童貞だった僕は、酒を飲ませればだれとでも寝る女という言葉を信じ、
艶との出会いを果たした。
奔放で危うい性格に戸惑いながらも、人一倍寂しがりやな彼女に惹かれていく。
だが二十五年後、過去の秘密を記した日記を遺し、艶は逝った…。自伝的小説の白眉。


**  **  **  **  **

艶(えん)は著者、南川泰三さんの奥様。
奥様とは聞こえがよい印象ですが、
本書のイメージそのままでいうと
酒を飲ませればだれとでも寝る女と言われ、奔放で酒による果てしない破滅願望のある女。

アルコール依存症気味の艶との生活は並みの精神では続かなかったように思われます。
それが25年も。
価値観も生き様も違う人間が文字通り裸と裸で繋がれて、
でもしかし、それだけではない深いところで引きあっていたのだろうかと感じます。

私からすると、南川さんも相当奔放のように思えます。
私が異性だからそう思うのでしょうか。
本能のままに、他の女性と交わったりするあたりは……。
そして、この艶と長く付き合うことができた、というあたりにも
並みの人間じゃないな、と感じました。

それでも、
私は艶に対して、全部とはいわないにしても共感できるところはありました。
艶はすべてが女性だったな、と思います。
最期の最期まで女でいたかった艶。
その箇所は涙が滲みました。

あと、最初に出てくる詩の意味は後半になって再度読むと
思わず鳥肌が立ってしまいました。
艶の腹の底からの想いが出ています。


「熱狂的に酔い、そして、生き、絶望にさえ酔いたかった」


posted by オハナ at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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