2011年02月07日

吉原十二月   松井今朝子



内容(「BOOK」データベースより)
容貌も気性もまるきり違うふたりの妓。
妓楼を二分する激しい嫉妬とつば競り合いの先に女の幸せはあるのか?欲望を喰らい、花魁となる。


     **   **   **

江戸中期の吉原の妓楼、
舞鶴屋庄右衛門が粋な喋りで回想の語りを始めます。
器量のいい2人を少女の禿から温かく見つめ、
飛びきりの花魁に育てた主人は2人を忘れらない。

舞鶴屋でお職を張り、どこかぼんやりと見える様だが
華があり、男を惑わす才覚を持っている小夜衣

同じく舞鶴屋のお職を張り
目鼻立ちがはっきりして上背が高く、
素直な物言いのさっぱりとした気性を持つ胡蝶


性格が全く違う2人のナンバーワン争いを高みから眺め、
時にはいかようにさんざ2人に振り回されたかを愉快に主人は語ります。
途中、読んでいてふと……
主人の主観が、どうも小夜衣に贔屓が入った語りのように感じました。
そんな贔屓語りから、
何でも器用にこなし、嫌味をさらりとかわす小夜衣よりも、
感情的に妬みを出す胡蝶を愛おしく思ってしまいました。

ですが、これは最後まで読んでみると
思わず「あ……なるほど」とにんまり。
無粋勝手な思い違いをした自分を少し恥じました。
主人の語りが一層粋に思えました。

妬み・嫉みだけではなく、
廓の人情も感じることができ読後は気持ちが良かったです。
中だるみもありましたが、終わりよければすべてよし、です。

廓言葉や、軽快な語り口も心地いい。
そして、女の戦いはどの時代も変わりませんね。

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ラベル:小説 松井今朝子
posted by オハナ at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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