2010年11月02日

OUT    桐野夏生




出版社/著者からの内容紹介
ごく普通の主婦であった彼女たちがなぜ仲間の夫の死体をバラバラにしたのか!?

深夜の弁当工場で働く主婦たち。
それぞれの胸の内には不安と失望を抱えていた。

「こんな暮らしから抜け出したい」

そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外はと導いたのは、
思いもよらぬ事件だった。

主婦ら4人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。
その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。
しかし動き出した歯車は止まることなく、ついに第二の死体解体を請け負うはめになる。
彼女たちはこの現実にどう折り合いをつけるのか。
大きな話題を呼んだクライム・ノベルの金字塔。


       **          **

桐野作品は興味はありましたが、
「アンボス・ムンドス」短編しか読んでませんでした。


上下巻、見事に一気に読了。
久しぶりの夜更かしでした。

クライム・ノベルと括るのは、違う印象を持ちました。
鬱屈した毎日から、
脱出したいと願う女たちの叫びが非常に印象的。


殺人・遺体解体は日常とかけ離れていて、狂気すら感じられます。
突発的な殺人だったとしても、
遺体解体という作業を女たちはしてやっています。

それは、殺人を犯した弥生を庇って、協力してのことではない。

実際、バラバラ殺人というのは
女性が多いといわれます。
その心理は、当人にしか感じることができないでしょう。

そして、雅子と佐竹の関係も二人にしか分からないのでしょう。



読むスピードが上がったのは、
ストーリーの結末が知りたいのはもちろんですが、
女たちの心情がリアルに感じられたからです。

あの女たちのような女性は、
身近に存在していると思います。
もちろん、一線を越えないだけで。

共感はしたくないが、
そういう部分もあるかもしれない――
と正直、感じ得ました。

女性の醜い部分はやはり、女性でしか表現できないでしょう。

女たちは閉じ込められている今の現状から、
「OUT」しようともがく……。

それは、決して楽な道ではなかった。
桐野さんは、楽な道を作ってはくれない。
それが、小気味いい――。



「どこに帰りたくてそんな言葉が生まれるのか」
「道にはぐれた気分が、雅子を当惑させる」

冒頭のシーンですが、
とても印象に残っています。


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ラベル:小説 桐野夏生
posted by オハナ at 13:01| Comment(0) | TrackBack(1) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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『OUT』
Excerpt: 桐野夏生 『OUT』(講談社文庫)、読了。 ヒットした犯罪小説という程度の認識で読み始めたのですが、 主婦4人の心理状態の変遷が見事に描かれていて、圧倒されました。 特に、主人公・雅子の孤独..
Weblog: 観・読・聴・験 備忘録
Tracked: 2010-11-02 20:13
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