2011年05月18日

きんぴか・真夜中の喝采  浅田次郎


内容(「BOOK」データベースより)
草壁明夫が殺された。広橋をスケープゴートにした大物政治家・山内龍造の悪行を報道した、あの気鋭のジャーナリストが…。
訃報を耳にした広橋は凍りつき、草壁に伝え忘れたセリフを口にするために立ち上がる。
一方ピスケンと軍曹は、ヤクザと悪徳政治家が自己弁護と保身に走るなか、正義の暴走を敢行する。
三悪漢の破天荒な物語、ひとまず完結。


   **  **  **

完結。
やっぱり浅田次郎だ。
ただの痛快悪漢小説で終わらない。
笑って、笑って、うっかりしていたら涙を落っことしてしまう。

今作もそうでした。
気楽に電車内でページをめくりだしましたが、
衝撃が起き、目に涙が溢れてくる…
いけねぇ…。これはマズイ。
泣いてまう!!!!
不意打ちの“泣き”には弱いんですよね。

“泣かせるぞ〜泣かせるぞ〜”という小説よりは
こういったほうが好き。

にしても、不器用な男たちの行く末はすこしだけ寂しいものがありました。
光が見えたり、彼らの先が見えることは嬉しいことなんですが、やっぱりこのキャラクターたちを好きになってしまったからには、
いつでもあの場所にいるんだ、と思いたいものです。

マムシの権左のラストもシブいじゃないか。



“ひとおつ、情けは人のためならず。ひとおつ、チリも積もれば百万円。ひとおつ、お客様は、生かさず殺さず半殺し!”
前半に出てくる町金の社訓です。


でも、最初に読んだ、という理由もあるかもしれませんが
プリズンホテルの方が好きっすね。

へぇ。と思ったら押してください。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
励みになりますゆえ。



posted by オハナ at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 浅田次郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月17日

映画:ジュリエットからの手紙

1juliet.jpg
イギリスに住むクレアのもとに、50年前にジュリエットに宛てた手紙の返事が届く。
それはかつてイタリアで出会った男性への想いを綴ったものだった。
手紙に背中を押されたクレアは返事を書いた女性ソフィーと共に、初恋の人を探す旅に出ることに……。


   **  **  **

愛とは遅すぎることがない

ただの恋愛映画とは少し異なります。
難しい言葉は交わされないのですが、何気ない一言が心にズーンときます。

110429_juliet_int2.jpg
50年前も前に終わった恋がふたたび蘇る。
ヴァネッサ・レッドグレイヴの美しい振る舞いはお婆ちゃんとは言わせません。
素敵すぎる!

やっと探しだした彼、70歳を超えてもこんなにカッコいい白馬の王子はいません!
登場したときはクレアと同じくドキドキしちゃいました。

この映画はふたつのストーリーになっています。
50年の時を経て成就する恋と、
今、目の前の大切な人をつかまえる恋。

どちらも行動力が大切なんですねぇ。

きっかけとなったソフィーがクレアに出した手紙が最後にやっと読まれるんですが、
それがイイ!最後に持ってきたあたり思わずニヤリ。

終始ニヤニヤが止まらない映画。
アマアマ恋愛映画ではないので、苦手な人もいいのでは?


そして、アマンダもなんだか大人な雰囲気。
マンマ・ミーヤの方がやっぱり超可愛いと思いました。


へぇ。と思ったら押してください。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
励みになりますゆえ。

タグ:映画
posted by オハナ at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月13日

圧巻!!「ブラック・スワン」

topブラック・スワン:.bmp
ストーリー
ナタリー・ポートマン、ミラ・クニス共演の心理スリラー。
ニューヨークのバレエ団に所属するニナ(ポートマン)は、元バレリーナの母とともに、その人生のすべてをダンスに注ぎ込むように生きていた。
そんなニナに「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが巡ってくるが、新人ダンサーのリリー(クニス)が現れ、ニナのライバルとなる。
役を争いながらも友情を育む2人だったが、やがてニナは自らの心の闇にのみ込まれていく。
監督は「レスラー」のダーレン・アロノフスキー。
主演のポートマンが第83回米アカデミー賞で主演女優賞を獲得した。


レイトショーで観てきました。
オープニングから引き込まれます。
Nポートマンの鬼気迫る心理が押し寄せてきて、どっぷりと呑み込まれました。
ニナの心の闇、プリマへの執着、己に囚われていく様はまさに圧巻。

可憐な白鳥を演じることができるニナだが、
官能的で挑発的な黒鳥を演じることができず悩むニナ。
新人のリリーが黒鳥を演じ切り、プリマを脅かす存在に…。

期待していた以上で、想像以上でした。
こんな映画はほんと久しぶり。
アカデミー賞主演女優賞は納得です。

ラストのセリフを聞いた瞬間、
動悸が激しくなりました!

鳥肌と動悸、どーんと重くのしかかり席を立つことができませんでした。

終始、ニナの息づかいがいい効果となって私を一層捉えて離さない。


ミラ・クニスも良かった。
そして、ウィノナ・ライダーは印象が全然違う。

観るべし!観るべし!


勢い記事ですいません<(_ _ ;)>

へぇー。と思ったら押してください。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
励みになりますゆえ。
posted by オハナ at 10:08| Comment(7) | TrackBack(1) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月11日

真昼なのに昏い部屋  江國香織


内容(「BOOK」データベースより)
会社社長の夫・浩さんと、まるで軍艦のような広い家に暮らす美弥子さんは、家事もしっかりこなし、「自分がきちんとしていると思えることが好き」な主婦。
大学の先生でアメリカ人のジョーンズさんは、純粋な美弥子さんに心ひかれ、二人は一緒に近所のフィールドワークに出かけるようになる。
時を忘れる楽しいおしゃべり、名残惜しい別れ際に始まり、ふと気がつくとジョーンズさんのことばかり考えている美弥子さんがいた―。


  **   **   **

なんとまぁ、美しい恋物語でしょう。
と思いながら読んでいました。
“不倫”ということを忘れるぐらいに美しい。

そうそう、恋するとこうなるんだ。
急速な恋愛じゃなくて穏やかな恋。
いいなぁーなんて思ってしまいました。

艶っぽい空間がたちまち広がってきます。

江國さんの美しい文章がきらきらと映像となり
その町の空気や、住人達の空気感までもが現れてきます。
ほんとに江國ワールドにどっぷり浸かって、
いつもよりゆっくり読みました。
読み終えたくない、と。

しかし、ラストでは穏やかだった“大人の童話”が
残酷なものへと変わっていきます。

それが、またいいのです。



へぇ。と思ったら押してください。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村
励みになりますゆえ。

posted by オハナ at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 江國香織 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月02日

ブルーもしくはブルー  山本文緒


なんとブルー尽くしな日々です。
昨日観た映画は「ブルーバレンタイン」。
そして本も「ブルーもしくはブルー」


おひさしぶりな山本文緒さん作品。
これは実はUstの課題図書としてあげられたものなのです。
こちらがたまに参加させてもらっているUst配信のブログ
USTREAMの雑談放送告知
ゆるい雰囲気で、とても男前な声なのです。


内容(「BOOK」データベースより)
広告代理店勤務のスマートな男と結婚し、東京で暮らす佐々木蒼子。
六回目の結婚記念日は年下の恋人と旅行中…そんな蒼子が自分のそっくり「蒼子B」と出くわした。
彼女は過去の記憶をすっかり共有し、昔の恋人河見と結婚して、真面目な主婦生活を送っていた。
全く性格の違う蒼子Aと蒼子B。
ある日、二人は入れ替わることを決意した。
誰もが夢見る「もうひとつの人生」の苦悩と歓びを描いた切なくいとおしい恋愛ファンタジー。万華鏡のような美しい小説。


   **  **  **

これはどう読むかで感想も変わってきそうです。
私は同性なので、どっぷり女性小説ものとして読みました。

あの時こうしていればどうなっていたかしら……
とふと考えてしまうときってありますよね。
まさに、この登場人物の蒼子Aはそう思っていたんです。
しかも、自分のした決断が間違っていたんじゃないか?と考えているときに。

別の人と結婚をしていたら…と思っていたら
自分にそっくりな人、いや、もう一人の自分がその男と結婚して幸せそうに暮らしていた。
私は選択を間違ったのだろうか……。

私もふと、「あの人と別れなかったら、どうなってたのかしら」と考えることはあっても、
すぐさま、「いや、多分時間の問題で結局別れることになるのよ」
なんて打ち消します。
淡い期待?希望?……ないねー。
今の自分ありき、と考えてますから。


今の自分と目の前のものを大切にしないと。
無いものねだりはよくないです。
誰かに必要とされて、愛されたいと願う蒼子Aと
自由を渇望する蒼子B。
憧れていたそれぞれのものは、得ることで幻滅へと変わる。

けど、最後にはほんのりと光が見える小説でした。


口の中に、とても苦く嫌な味がした。
欲しくてたまらなかった、自由の味が、それだった。




へぇ。と思ったら押してください。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
励みになりますゆえ。

posted by オハナ at 16:08| Comment(2) | TrackBack(0) | ヤ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。