2010年12月22日

たとえ朝がきても   北方謙三



内容(「BOOK」データベースより)
かつてのパートナー、山崎進一を追いつめるために、
私はこの街へやって来た。
裏切りに楔を打ち込む。
そう心に決めて、山崎の居所を探った。
その直後に私を阻む不穏な動き。山崎の背後にいる者は誰か。
あいつの裏切りは何を意味しているのか。
自分が火種になるしか、真相を暴く術はなかった。
揉め事を起こすにつれて、明らかになる街の権力抗争。
傷ついた男たちの癒えぬ哀しみ。
そして、黙した女に秘められた愛。
それぞれの夢と欲望が交錯する瞬間、虚飾の街は熱く昂ぶる夜を迎える。
孤高の大長編ハードボイルド。


       **        **

山崎を探すために波崎はやってきた。
どうしても見つけ出さなきゃならない。
山崎に対しての気持ちは、よくわかっていない。
ただ、ただ探さなきゃならない。

友情を感じるか、
どこで感じるかは人それぞれでしょう。
波崎は最後に感じることができ、
そして、死ななかった。
殺しても死なないらしい――
でも、こういう人が『生』を心地よく感じだしたら、
向こう側に行ってしまうことがあるんですよね。

シリーズ第二弾、ソルティより波崎の方が好感が持てます。
人間臭く、頑固者。他の人物より頑固所が微妙に異なります。
女の口説き方も、ソルティより自然かな。


シリーズを通して、よく血が流れます。
誰かは雄々しく死んでいきます。
しかし、
私としては全くのノーマークだった人物が、途中退場となった。
……いや、伏線は確かにあったんですが、
その人物が薄いままだったんです。
もっとエピソードちょうだい!!!!

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2010年12月21日

遠く空は晴れても    北方謙三


内容(「BOOK」データベースより)
夏の海が吼えていた。
灼けつくような陽をあびて、私は教会の葬礼に参列した。
不意に、渇いた視線が突き刺さる。
危険な匂いが漂う男、川辺との出会いだった…。
やがて、川辺は芳林会の内部抗争を惹き起こす。
だが、奴の標的は別の何かだ。
トラブルしか縁がないために「ソルティ」と呼ばれる私は、
この街の利権抗争に深く踏み込んでいく―。
酒瓶(ボトル)に懴悔する男の哀しみ。
街の底に流れる女の優しさ。
虚飾の光で彩られたリゾートタウンで、
ハードボイルドの系譜を塗りかえる弧峰の大長編小説の幕があく。


        **         **

最近はもっぱら『ハードボイルド』一色です。
以前upしたブラディドールシリーズで十分楽しんだんですが、
シリーズの連中たちと、今作の約束の街シリーズが合流すると耳にしました。
これは……読まなければ……年を越せないと思い、
約束の街シリーズ一冊目を手にとりました。

ハードボイルドの必須アイテム、
酒、車、暴力、女に加えて、
気障(あえての漢字)が想像以上にパワーアップしているように感じました。
若月という主人公だからかもしれませんが、
女に吐くセリフが衝撃的でした。

女に周辺に変わりがないか、若月が会いに来た時の言葉。
『顔を見に来た。声も聞きに来た。君の瞳に見つめられにも来た』
衝撃を受けて、ページを捲ると、
『気障な科白、似合わないわね、まったく』
と言われていたので、なんとなくホッとしました。

まだまだ一冊目、これから人物も動き出すでしょうし、
面白くなってくるのが楽しみです。


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2010年12月20日

ひそやかな花園    角田光代


内容紹介
幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。

親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける、
角田光代の新たな代表作誕生。


      **         **

「八日目の蝉」とリンクするものがあります。
人との繋がり、親子とは、家族とはなんだろう。

さまざまな人物が登場しますが、
決して複雑なものではなく、
それぞれの心理描写が繊細に描かれています。
作品の完成度は高いと思います。


うっすらと残る幼少期の夏のキャンプ。
あれはなんだったのだろう。
読み手も疑問に持ち、どんどんとページを捲る手が止まりません。
最悪の結果、破滅への展開だったら――と、
思いながら読みましたが、
角田さんは迷い子にそっと光ある手を差し伸べているような結末を書かれています。

血の繋がり、親子、家族。
知らなければよかった。
いや、『それでも知るほうを選ぶ、
混乱して、逃げるほうを
』紀子の言葉には安心しました。
混乱してもいい、逃げてもいい。
閉じこもるのはもうごめんだと――。


親の視点での話が気になります。
ただ、父方の話だとつらいかも。


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2010年12月17日

ドラママチ  角田光代



内容(「BOOK」データベースより)
欲しいもの…子ども、周りの称賛、やる気、
私の人生を変えるドラマチックな何か。
でも現実に私の目の前にあるのは、単調な生活に、どうしようもない男、中途半端な仕事…。
高円寺、荻窪、吉祥寺、東京・中央線沿線の「街」を舞台に、
ほんの少しの変化を待ち望む女たちの姿を描いた、心揺さぶる八つの短篇。


          **          **

それぞれの『待つ女』
何を待つの、なぜ待つのか、それともただ動かないだけなのか、
動けない理由があるのか。

主人公たちはどこにでもいるような女たちです。
もっとも、
そのどこにでもいるような女を表現するのが巧みです。
いやだなぁ。こんな女はいないだろう――。
いやいや、よく見ると隣で笑っている女がそうかもしれないし、
自分のことかもしれない。

でも、いやだなぁ。と思いながらも読み進めると、
途中のストーリーからは雰囲気が大きく変化します。

前半は、焦燥感、虚脱、虚無、
閉塞感が文面、行間から表現されています。
後半は、その中から抜けたところにある『光』が、
うっすらと射しているのです。

悪くない。
待つことが空っぽな場所にあるとわかっても、
この主人公たちはドラマに満ちた人生を歩んでいるような気がします。


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2010年12月14日

ふたたびの、荒野    北方謙三


内容(「BOOK」データベースより)
冬が海からやって来る。
毎年それを眺めているのが好きだった。
鈍く輝きはじめた海を見て、私は逝ってしまった男たちを想い出す。
ケンタッキー・バーボンで喉を灼く。
だが、心のひりつきまでは消しはしない。
いま私にできることは、この闘いに終止符を打つことだ。
張り裂かれるような想いを胸に、川中良一の最後の闘いが始まる。
“ブラディ・ドール”シリーズ、ついに完結。


      **        **

とうとう最終巻。
街を引っ掻き回して、たくさんの人を死なせた出来事に
目をそむけることなく、決着をつけるときがきた。

それでも生きるのか――と自嘲気味に己に問う川中。
川中と長年いた片割れ、キドニー。
川中を慕う坂井、下村、高岸。芸術家。
闇医者。経営者たち。

他にも男たちはいた。
自分の守るべきもの、
確かなものをしっかりと握りしめながら死んでいった。

ダンディズムをこれでもかというほど、
北方先生は魅せてくれます。
それも長編を10冊、一人称で書き上げました。

かっこよすぎます。

女に生まれても、こんな生き方に憧れます。
こんな男たちを見せつけられると、
男性を見る評価が厳しくなりそうです。(嘘です)



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posted by オハナ at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 北方謙三 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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